コスプレ/撮影のマナーについて
コミケットにおいてはコスプレを「リアルの場だからこそできる身体表現」と位置付け、同人誌と同じようにその表現の自由を尊重し、可能性を拡げていくための「場」でありたいと思っています。こうした考え方の下で、表現の自粛や萎縮につながるようなルールを設定することは、可能な限り避けてきました。具体的には、ルールを「参加者・近隣に迷惑をかけない」「法令に違反しない」「防災上危険でない」といった最低限のものに留め、コスプレイヤー・撮影者のみなさんによる「自律」を基本に表現の場を維持していくことが、参加者の相互協力によって運営されるコミケットにふさわしいと考えています。
しかしながら、最近のコミケットにおいて、一部のコスプレイヤーの方が衣服をめくって、下着等を見せるような撮影が行われているということが確認されています。同人誌に対しては準備会スタッフが巡回して頒布物の確認を行っていますが、コスプレは行動によってその見え方が変わりますから、スタッフがみなさんのコスプレを常時確認することはできませんし、したくありません。コスプレイヤー同士で声を掛け合う、撮影者の方もそうした行動に反応して撮らないといった自律によって、コミケットらしいコスプレエリアを維持していくことに、力を貸してもらえればと思っています。
来年、コミケットは従来の有明地区の「西・南展示棟」と新しい「青海展示棟」という、遠く離れた2つの会場を使って開催することになります。こうした広いエリアでの開催、コスプレの一層の発展に向けて、これまで以上にコスプレイヤー・撮影者の一層の自律に期待しています。よろしくお願いします!
制限事項の追加について(再掲)
昨年のコミケット92では、エントランスプラザで「禁止行為(自転車での走行や騒音の発生)」や「卑わいな単語の表示」を伴ったコスプレが行われていることに対し、会場から注意がありました。後者については、いわゆる「ネタコス」ではあり、法令やコミケットのルールに反するものではないのですが、参加者以外の方の目に入りやすく、会場において象徴的なエリアにおいては、何らかの制限を設けなくてはならない状況です。
こうした情勢を受けて、前回のコミケット93から具体的には「庭園」「エントランスプラザ」において「下着に思われる可能性がある衣装」「公共の場所を通行する一般の方が、卑わいに感じるような言葉を掲示したり大きな音で発すること」を制限しています。また、水着・レオタード等のコスプレで公道を移動する際は(防災公園への移動、東西間の移動)、上着・マント等を羽織るようお願いします。
これまでの繰り返しになりますが、こうしたコスプレを禁止するわけではありません。時に先鋭的な表現というものは、社会とのハレーションを伴うこともあります。そして、コミケットが表現の自由を追求する上で、決して「公共性」ということを声高に言いたいわけではなく、表現を制約するルールは最小限に留めたいと考えています。場を継続していくために、時と場所に応じたこうした制限事項は設けますが、ルールの背景についても理解していただき、制約を表現の工夫に転換してコスプレを楽しんでもらえればと思います。
撮影可能場所について
コミケットではルールを守る限り、ホール内を含む会場内のどこでもコスプレ及び撮影ができます。その上で利便性を考え、コスプレイヤー・撮影者のみなさんが集まる場所として設定されたのが「コスプレエリア」です。混雑が見込まれる庭園やエントランスプラザのコスプレエリアだけではなく、東棟各地区のコスプレエリアや後述する防災公園等を積極的に活用し、混雑の分散化にご協力いただければと思います。
撮影の混雑整理について
サークル参加において、自分のサークルの混雑整理は自身で行っていただくのと同様、コスプレにおける囲みや行列も、コスプレイヤー・撮影者のみなさんに、参加者同士で協力しながら行っていただくのが原則です。様々なポリシーの方がいらっしゃる中で、防災・安全上の危険がない限りは、スタッフから強制的に解散の指示等を行うことは、できるだけ避けたいと思っています。もちろん、体調が悪くなった、困ったことがあるといった場合には、お近くの準備会スタッフにお気軽にお声掛け下さい。
2019年〜2020年GWまでの3会期は、東京オリンピック・パラリンピックのため、東展示棟とはしばしのお別れです。寒い中ではありますが、広い会場を西に東に目一杯使い、コスプレと撮影を楽しんで下さい!!