どうも630「鉄道・旅行・メカミリ」配置担当です。準備会事務所で作業していて素敵な紙袋のサンプルを見つけ、大量に描かれている小ネタにはしゃいでいたら、コラムでも書いてみる? と言われ、今おっかなびっくり書いていたりします。
このイラストに描かれている国鉄時代の鉄道コンテナ達とエンブレムは、昭和の鉄道輸送を代表するEH10形電気機関車と「コンテナ特急たから」で、荷物を送るのが面倒だった時代に、それをより身近な存在にした代表的なコンテナ貨物列車です。みなさんがコミックマーケットで入手した宝物を、コンテナに詰めて「コンテナ特急たから」で送るイメージの紙袋にワクワク感が重なり、今ではもう存在していない「コンテナ特急たから」が現在に復活したようでウキウキしてしまう紙袋です。
この紙袋に描かれている電気機関車は、熊ん蜂カラーで有名な「EH10形」愛称はマンモス全長が22mを超える長大な車体なため、車両の真ん中を永久連結器で繋いだ2車体で1セットな大型電気機関車でした。永久連結器という言葉の響きが個人的にちょっとアレな感じで好きです(笑)。このEH10も数十台造られるうちに数々の改良が加えられ、このイラストでも多くの情報が描かれていて、準備会の事務所でも鉄道趣味なスタッフ達と数時間も雑談していまいました(ちなみに2013年12月現在、このEH10形電気機関車は大阪市東淀川区にある東淡路南公園に61号機が保存展示されています。興味のある方は行ってみて下さい)。
昔は荷物の輸送に物凄い多くの手間と時間を掛けて積み替えを繰り返していましたが、このコンテナ特急たからは、それらを見直して鉄道によるコンテナ輸送時代を築いた特急です。
コンテナに書かれている「戸口から戸口へ」は、そうした拠点の度に積み替えなどしないでこのまま輸送できる、という意味が含まれています。昭和を代表する大量コンテナ輸送時代が始まり、EH10形もより強力で小回りの利くEFシリーズに変わっていきます。もっともこのコンテナによる大量輸送時代も、自動車や飛行機などの発展により徐々に減少の波に呑まれていくのですが……。とはいえ、昭和から平成に移り変わると今度は、二酸化炭素を減少させる意味でまた鉄道貨物が注目され、M250系など新しい車両が登場してくるから面白いモノです。
「マンモス」の愛称で呼ばれ、巨大すぎるゆえに使用に制限も多くEH10形のみで終わってしまったEHシリーズも、1954年のEH10形から50年近く経った1997年にEH500形が開発され、久しぶりにEHシリーズ登場に驚きました。そんな波瀾万丈とでも言うべき「EH10形」や「コンテナ特急たから」のエピソードがコミックマーケットにも重なるように感じて、1人準備会の事務所で「うんうん」と思いを巡らせていたら、「そんな事を考える人間は少ない」と笑われてしまいました(笑)。
そういえば「コンテナ特急たから」が増発し活躍を始めるのは、「サブロクトウ」と呼ばれる昭和36年10月のダイヤ改正からです。奇しくもコミックマーケットにおいて東ホールの一般入場は「東3と東6ホールから10時に入場開始」です。設営日等の販売時間で是非この紙袋を入手して、3610ダイヤ改正で活躍を始める「コンテナ特急たから」にあやかって、紙袋を手に東3・6ホールに10時から一般入場するのも楽しいかもしれません。
これ以外にも、紙袋に描かれている「チキ5000形」のことや、あのかわいい女の子は全長数十メートルある巨人なのか、それともHOゲージでコンテナ遊びをしている強者なのか、等など言いたいことはまだまだ山ほどあるのですが、担当者が横で「わかったからもういい」的な顔をしているのでこの辺で終わります、また機会があれば次回は「マニ30」や「双頭型両用連結器」などについて喋りたいと思います(そんな機会あるわけない・笑)。
では、皆さんが素敵な宝物に出会えてこの紙袋に入れて帰る、楽しいコミックマーケットになるよう心より願っております。