【注意喚起】コミックマーケットにおける頒布物の表現について

2013年11月15日
コミックマーケット準備会・共同代表
安田かほる・筆谷芳行・市川孝一

 これまでコミックマーケット準備会は当日のサークル参加登録時、「ワイセツ」を中心としてサークルの頒布物を確認してきました。「ワイセツ」については、当該サークル以外にも広く責任を問われる可能性があります。頒布物確認を行なうことは、頒布物に対して準備会がサークルとある意味共同して責任を取れる形とすることを目的にしています。

 コミックマーケット85でも同様の確認作業を行う予定でおりますが、今年下半期に入って「ワイセツ」表現に関する新しい動きがあったことを受け、『コミケットアピール』に加えて注意喚起を行うこととします。

 既に報道されている通り、2013年4月19日に成年向けマンガを発行している出版社に家宅捜索が行われ、7月25日に編集者がワイセツ図画頒布の疑いで逮捕されました。その後も、数社の出版社が警察から呼び出しを受けているという一部報道もあります。

 こうした動きを受け、9月発売以降の成年向けマンガ誌において、修正範囲を広げる・濃くする・モザイクをかける等の手法で、性器描写をより曖昧に表現する対応を取っているケースが拡大しています。

 すべての申込サークルにお送りしている『コミケットアピール』に明記されている通り、コミックマーケットでは、刑法175条に抵触する「ワイセツ」図画の頒布は禁止となっており、確認作業をさせていただく時の判断基準は「商業誌に準じる」となっています。

 上記のような社会状況を鑑み、男性向・女性向の内容を問わず性器や性交シーンを描写する場合、成年向けマンガ誌の修正にアンテナを張り、今年10月以降に書店流通している成年向けマンガ誌の内容を実際に確認した上で、必要と思われる修正等を行っていただくことをお願いします。現行の成年向けマンガ誌に準じていない描写については、頒布物確認の結果が不適当となります。

 また、今回の問題は刑法の「ワイセツ」の問題です。児童ポルノ法や青少年健全育成条例とは直接的な関係はありませんので、これらを混同することなく、冷静な対応をお願いします(こちらも『コミケットアピール』をご参照ください)。

 最後になりましたが、コミックマーケットは表現者がなるべく多くの作品を自由に発表し、表現の可能性を追求できる「場」であり続けたいと考えています。自由な創作が出来る土壌が日本のマンガ、アニメ、ゲームなどの文化を育んできたと信じ、少しでも多くの新しい、自由な発想に基づいた作品が生まれることを望んでいます。コミックマーケット準備会は今後も、可能な限りすべての表現を受け入れるよう努めていくことを改めて表明します。

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