コミックマーケット97アフターレポート
- 会場
- 東京国際展示場(東京ビッグサイト)
全館
- 会期
- 2019年12月28日(土)〜31日(火)
- サークル数
-
- 入場者数
-
・ | 28日(土) | 19万人 |
・ | 29日(日) | 18万人 |
・ | 30日(月) | 19万人 |
・ | 31日(火) | 19万人 |
- 更衣室登録数
-
| 男性 | 女性 |
28日(土) | 1,608人 | 4,406人 |
29日(日) | 2,623人 | 6,024人 |
30日(月) | 1,876人 | 3,271人 |
31日(火) | 2,138人 | 3,187人 |
- 献血数(防災公園を含む28〜30日。31日は閉園)
-
・ | 28日(土) | 475人 |
・ | 29日(日) | 560人 |
・ | 30日(月) | 532人 |
・ | 31日(火) | 297人 |
- コミケット公式発行物
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・ | コミックマーケット97カタログ(表紙、ヤマコ)
|
・ | 紙袋(大)よー清水・(小)吉田誠治 |
- 出展企業数
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- マスコミ取材
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コミックマーケット97取材申込一覧
(2020年1月10日データ部分公開)
コミケット96〜98の3会期、4日間の開催となっているコミケットですが、東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う利用制約のため利用できる面積が大幅に縮小されているのが原因となっているのは、これまで折に触れてご説明してきたとおりです。そして、今回C97ののべ来場者数は75万人。4日間開催とはいえ、コミケット史上最大を更新することになりました。1日だけでなく毎日のように足を運んでいただいた参加者の方々も非常に多く、コミケットを存分に楽しんでいただけたのではないかと思います。
前回C96の 3日目の入場トラブルを受けて、今回は様々な対策を取りました。まず、待機場所の根本的な不足を解消するため様々な形で各方面に働きかけた結果、なんとか新しく駐車場をお借りすることができました。これにより、TFT横のG1駐車場を、待機列、リストバンド型参加証の販売所、一部をコスプレエリアと複合的に有効活用することが可能になりました。
また、前回はリストバンド型参加証の当日購入希望者が大変多く、購入列と一般参加者待機列の管理が複雑化したことが入場トラブルの遠因となったことを受けて、今回はリストバンド型参加証を一般参加者の皆さんに可能な限り事前に手に入れていただくことを狙った様々な施策を講じました。具体的には事前販売価格を550円、会場販売価格を1000円 (いずれも税込) と差をつけること、事前購入者より当日購入者の入場順序を遅らせることを、事前に繰り返しアナウンスして周知を図りました。加えて、当日販売場所を一般待機列の状況に合わせて東駐車場、G1駐車場と切り替えることで、列の交錯を防止しました。一方でメリハリをつけた運用にするために、青海地区(企業ブース)の入場にはリストバンド型参加証を不要とし、有明地区への入場時のリストバンド型参加証の確認は継続的に実施しました。こうした諸策により、一般参加者の入場を概ねスムーズに進めることができました。
入場者への手荷物確認は、引き続き警察からの強い要請をいただいており、前回急遽追加となった有明会場での一般参加者入場後の確認を今回も実施した他、当日の販売所でリストバンド型参加証を購入した方にも確認にご協力いただきました。一般参加者の皆さんには感謝いたします。
そんなこの冬の天候は、設営日と4日目は風が強く、また3日目の午前中は雨にも降られたものの、極端に冷え込んだりもせず、概ね天候には恵まれたように思います。場外救護のテントや救護室の利用者も少なめでした。以前より、感染症対策として、コミケットでは体調不良時には早期の帰宅を強く促しています。そもそも熱などの風邪症状があったり、体調が悪いと少しでも感じたりした場合は、コミケットへの参加見合わせを強くお願いします。
有明地区の曜日毎のサークルのジャンル配置は、前回の1日目がお盆前の平日の金曜日という厳しい日程だったため、1日目と2日目を入れ替えて、1日目は主にアニメ・マンガ系、2日目にゲーム系としましたが、3日目の男性向(主に創作系)、創作(少年)・創作(少女)、ギャルゲー系、評論・情報、4日目の男性向(主にパロディ・二次創作系)、デジタル系、『東方Project』、鉄道・旅行・メカミリ、コスプレといったジャンル配置は前回を踏襲した形になりました。
パロディ・二次創作系では、『FGO』、『艦これ』という息の長いジャンルに加え、『アズールレーン』やその他ソーシャル系のゲームが盛り上がりました。前回激しい混雑となった、創作(少年)は、西3・4ホールと南3・4ホールの両方に配置して、負荷分散を図りました。
空調の利きが大変よく、昨夏は大好評だった南展示棟。実は冬のコミケットでは参加者の活気・熱気があり、むしろ暑くなってしまうので暖房は基本的には入れていないのですが、この冬は、南3・4ホールは海側に風が抜けないこともあり、ホール内は概ね暖かい状況でした。一方南1・2ホールは、搬入用のシャッターが両サイドで開いており風が通り抜けるため、他の地区と同様に寒いところも少なからずありました。
青海地区の企業ブースは、前回は初めて使う会場ということもあり、また、会場周囲のトラックヤードがあまり広くないこともあって、混雑列をホール内である程度捌くことを前提とした余裕のあるレイアウトとしました。ところが、前述のサークルについてでも触れたように、1日目がお盆前の平日だったということもあり、初日の企業ブースとしてはそれほど大きな混雑とはなりませんでした。これを受けて今回は、混雑する企業をより多く入れたのですが、1日目の動員そのものが多かったこともあり、(C96:16万人→C97:19万人)、打って変わっての大混雑が1日目から2日目にかけて続くことになりました。出展企業の傾向としては、引き続き旬なVTuber系、ソーシャルゲーム系の企業が数多く出展し、多くの参加者が訪れていたように思われます。
近年は、海外から非常に多くの参加者が、こうしたサークルや企業ブースの様々な頒布物・商品を購入するため、たくさんのコスプレイヤーを見たり撮影したりするため、そして自分で出展したり、コスプレをしたりするため等の様々な目的で、コミケットへやってきます。準備会の国際部デスクを訪れた外国人参加者だけでも、45の国と地域にのぼります。中国・韓国・台湾を中心としたアジア圏が一番多く、アメリカ・ヨーロッパがそれに続くのですが、五大陸すべてからコミケに参加者がやってきています。その中でも珍しいところでは、南アフリカ、ウクライナ、ブルネイ、ドバイ、アブダビといった国々が挙げられます。
一方で、スリ・置き引きといった好ましからざる人々が、コミケットに来るのも残念ながら、後を絶たず、4会期連続でスリが現行犯逮捕されています。再三のお願いとなりますが、参加者の皆さんの自衛が第一です。警察からは、疲れてうたた寝している人をターゲットとした(「仮睡者狙い」というそうです)スリ・置き引きが増えているという情報もいただいています。くれぐれもご注意をお願いします。
この他、会場利用における今回の大きな変更点は、更衣室に従来からの会議棟1階に加え、TFTホールを使用したことです。TFTというビッグサイト外の施設を利用することにより、これまでの事前申込・抽選制のコスプレ先行入場に代わり、コスプレイヤーならどなたでも午前8時から更衣室が利用できるようになりました。開場前からの着替えが可能ということもあり、1日目はTFTにコスプレイヤーが集中して、少々お待たせすることになりました。2日目はその混雑を嫌ったコスプレイヤーが会議棟に集まり、更に2日目はゲームジャンルの配置との相乗効果で1日目よりもかなり多くのコスプレイヤーが参加するという要因が重なった結果、TFT・会議棟両方の更衣室がパンク状態になってしまいました。長時間お待ちいただくことになったコスプレイヤーの方にはお詫び申し上げます。原因としてTFTはコミケットが初めて使う場所で、会議棟とは独立した2ヶ所での更衣室運用そのものや導線の管理に不慣れだったことが挙げられます。これらを踏まえ、今後に向けて更衣室の運用及び周囲の導線等を再検討中です。
また、前回問題となった囲みでの外国人コスプレイヤーへの不同意撮影については、スリ・置き引きの注意喚起看板と同じ器材を活用しての呼びかけを行い、問題が起こりそうなときは早めに分かり易く準備会スタッフが止めに入るようにするなど、巡回を強化して臨みました。
防災公園では冬の定番『防災公園de献血withコミケ』を日本赤十字さんといっしょに催しました。コスプレのままビッグサイトと行き来できることもあって、多くのコスプレイヤーが防災公園を撮影場所としてコスプレを楽しみ、一日数万人が訪れたようです。
最後に、2019年夏より正式にスタートした『DOUJIN JAPAN 2020』についてです。東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてプレスセンター・メディアセンターとなるビッグサイトは、厳しい利用制約が課せられています。玉突きで日本中のイベント会場の利用も圧迫されており、その結果、日本中で同人誌即売会の開催が減ったり規模が縮小したりしています。こうした状況においても、サークルの皆さんに少しでも新しい同人作品を作ってもらい、同人活動を続けてもらえるように、と始まったのがこのプロジェクトです。ビッグサイトで同人誌即売会および関連するキャラクターコンテンツの展示即売会を主催している各団体が幹事団体となり、コミケット準備会も幹事団体の一員として運営に参加しています。
活動のメインとなるのは、「新刊カード企画」です。この企画に賛同する同人誌印刷会社で印刷した同人誌(印刷費5000円以上)に1枚進呈される「新刊カード」。こちらと引き換えできる様々な特典(特製グッズ・カタログのプレゼント、割引や招待、プチオンリーの開催等)が趣旨に賛同する同人誌即売会、その他関連企業から提供されています(詳しくは公式サイト https://doujin2020.jp/wp/page-377/ 参照)。それ以外にも、全国の同人誌即売会を巡るスタンプラリーなどの個別の企画も色々とあります。
コミケットでも、1)新刊カード3枚集めて、過去のカタログ等のイラストを使用した新作ポスター、過去の森林保護募金・企業ブース告知ポスターの引き換え、2)Hakobook、ウエストウイングの荷物受付において、新刊カード1枚提出で100円引き、という企画を行いました。
なお、2020年12月まで新刊カードは配布され、2021年7月まで『DOUJIN JAPAN 2020』の企画自体は続きます。コミケットも引き続き新たな企画を用意していますので、楽しみにして下さい。サークルの皆さんにおかれては、お手元の新刊カードや、さらに新刊カードを入手して、有効に利用していただければ幸いです。
(2020年4月11日本文公開)
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[Since: Jan.10 2020] [Updated: Apr. 11 2020]