コミックマーケット89アフターレポート
- 会場
- 東京国際展示場(東京ビッグサイト)全館
- 会期
- 2015年12月29日(火)〜31日(木)
- サークル数
-
・ | 参加サークル数 | 3万5千 |
・ | 申込サークル数 | 4万6千 |
- 入場者数
-
・ | 29日(火) | 15万人 |
・ | 30日(水) | 17万人 |
・ | 31日(木) | 20万人 |
- 更衣室登録数
-
| 男性 | 女性 |
29日(火) | 2,235人 | 7,592人 |
30日(水) | 3,456人 | 8,426人 |
31日(木) | 2,334人 | 5,337人 |
- 献血数(防災公園を含む)
-
・ | 29日(火) | 502人 |
・ | 30日(水) | 510人 |
・ | 31日(木) | 523人 |
- コミケット公式発行物
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・ | コミックマーケット89カタログ(表紙、スー) |
・ | コミケットプレス43(表紙、信乃) |
・ | 紙袋(大)かわく・(小)せんむ |
- 出展企業数
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- マスコミ取材
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コミックマーケット89取材申込一覧
アフターレポートの冒頭にあたり、今回警察からの強い要請があり急遽実施しました警備強化と一般参加者に対する手荷物確認へのご協力に、改めて感謝を申し上げます。皆さんのおかげもあり混乱もなく確認作業を行うことができました。ありがとうございました。
そんなテロ対策という意味では少々荒れ模様だった冬のコミックマーケット89ですが、一年前のC87のような雨にも降られず、それほど寒くもなく過ごしやすい陽気だったのではないでしょうか? ただ、曜日の巡り合わせから大晦日回避の開催ができたC87とは異なり、再び大晦日開催になってしまいました。
当日の各ジャンル概況ですが、初日はアニメ系・マンガ系・ジャンプ系の配置です。秋の新番組で現在も大ブレイク中の『おそ松さん』は、最初のオンリー即売会がコミケ直前だったというタイミングもあり、他ジャンルで「おそ松本」を出すサークルも少なくはなかったものの、本格的な同人誌人気は、冬コミからでなく年明けからスタートした印象です。2日目は、ゲーム系、芸能系が中心。『刀剣乱舞』はそのサークル数を大幅に増やして人気でしたし、『東方Project』『艦隊これくしょん』も大きな勢力を保っています。3日目は、男性系、ギャルゲー系、創作(少年)、評論・情報、デジタル(その他)、同人ソフト他といった配置でしたが、男性向がかなりの混雑となってしまいました。
事前にお伝えしたとおり、東7・8ホールの増設工事に伴い、一般参加者の東駐車場からの入場導線が大幅に変更になりました。このために、東3ホールサイドのトラックヤードからサークルの行列を長く伸ばすことが難しくなり、東3ホールには大きく混雑するジャンルの配置が難しく、配置の大幅な変更を余儀なくされました。初日・2日目への影響はそれほど大きくはなかったのですが、問題は3日目。今まで東3ホールをフル活用していた男性向ジャンルの配置を東6ホールに変更したのですが、東3ホールの混雑をそのまま東6に移すと、外周が狭い東6ホールがパンクしてしまいます。そこで、男性向ジャンル全体でこれを吸収するように、混雑サークルを分散させた結果、ホールとホールの間の俗に「偽壁」と呼ばれているブロック等が、ところによっては通行できないくらいに混雑してしまう時間帯が発生する結果になりました。C90も工事は続くため同様の状況が続いてしまうのですが、冬の状況をフィードバックしつつ配置の改善を行っていきます。
同じく混雑といえば、過去最高を今回も更新して、3日間ののべ登録者数が3万人にあと一歩となったのがコスプレイヤーです。先行入場もすっかり定着して約4,000人という過去最高の応募があり、急遽当選者を増やしたものの更衣室の収容能力の限界もあり、多くの方をお断りせざるを得ませんでした。なお、通常の更衣室利用においては、一時的に2時間待ちの状況も発生しています。これまで様々な対策を講じてはいますが、将来的な対応をどうしていくべきか、さらなる検討を始めている状況です。
加えて、企業ブースの混雑は相変わらずで、一部の企業では無料配布で混乱が起きたり、販売が遅れて列の形成を途中で打ち切ったりと、個別のトラブルはいつもながらにいくつかありましたが、全体としては概ね問題無く行われました。新規参加としては、日経系のQUICKや、丸井、日活、スペシャル6に企業出展しコミケット本体には初参加のIIJやインテリジェントシステムズといったところが挙げられます。
そして、たまたま企業ブースでの出来事ではあったのですが、スリの現行犯逮捕がありました。以前よりスリがビッグサイトには出入りしており来場者の多いイベントが狙われやすいのですが、このケースもそうしたプロの犯行とのことです。警察からスリ・置き引きの被害が増えているので注意喚起に努めるよう指導があり、当日の場内アナウンスを増やしたりもしました。特に激しい混雑に気を取られていたり、買い物が終わって疲れている一方で戦利品に夢中になってしまったりすると隙が生まれがちです。次回に向けて、カタログ等を通じてさらなる啓蒙を行うことになっていますが、参加者の皆さんも是非自衛をお願いします。
その他、今回の主なトピックスを挙げていきたいと思います。
ビッグサイトの工事に伴い導線以外に大きな変更があったのは、東地区での宅配便の発送受付場所と献血車の設置場所でした。宅配便についてはトラックヤードでの荷受けができなくなり、クロネコヤマト・ゆうパックいずれも、通常のコミケットではこれまで雨天対応場所としていたガレリアでの受付となりました(C90も同様の予定です)。また、冬恒例となっている献血は、ビッグサイト内に場所が確保できず、イーストプロムナードやりんかい線国際展示場駅近く、防災公園等で行ったにも関わらず多くの献血が集まりました。こちらも皆さんのご協力に感謝します。今回の献血された方へのプレゼントは、WIXOSS(ウィクロス)、HARU KAZE、みなとそふと、ギャル子ちゃん製作委員会(五十音順)にご協力をいただきました。これまでのポスタープレゼントではなく、カードのプレゼントという企画もあり好評だったようです。この場を借りてお礼申し上げます。
また、近年の外国人参加者の増加に伴い増えているのは、外国人迷子です。通常コミケットでは迷子放送の依頼を受けていませんが、緊急性が高い場合に限って例外的に迷子放送を行っており、英語や韓国語の場内アナウンスを聞かれた方も多かったと思います。海外からいらっしゃる方は、以前はわざわざ海を越えてやって来るだけの、ある意味「猛者」であり、コミケットにも詳しく、日本語の分かる方も少なくなかったのですが、最近は気軽にやってくる外国人参加者も多いのが実情です。こうした海外からの参加者の現状については、一般参加者として誰でも自由に参加できるというコミケットの性質上、実は準備会も実態をあまり把握できていません。その一方で、インバウンドについては、国の政策として非常に注目が集まっており、関係省庁・団体の方からの準備会への問い合わせも増えている状況があります。冬コミ前後に、海外参加者向けのWebアンケートを実施したのも、もう少し具体的に状況を掴み、国や地方自治体に対する説得力を強化していこうという試みとご理解下さい。
そして、C88に発売し、あっという間に完売となった『コミックマーケット40周年史 40th COMIC MARKET CHRONICLE』ですが、秋に再版してこの冬も販売を行い、再版分も当日ほぼ完売となりました。初版・再版併せてかなりの部数を印刷したのですが、売れ行きの良さに正直驚きましたし、内容についても概ね好評をいただき、ホッとしています。
というわけで……。コミケットスペシャルと併せて年3回のコミケットがある慌ただしい年が終わりました。特に2015年は40周年ということもあり、スペシャル終了後の4月にニコニコ超会議への出展、夏コミでの上記『40周年史』の刊行、冬コミ直前の12月21日(第1回のコミケットが開催された日)に、過去の開催地巡りやTwitter上で皆さんからのお祝いコメント募集と、いつも以上に企画も多く、盛りだくさんな一年だったように思います。お付き合いいただいた参加者の皆さん、ありがとうございました。
そして2016年は、会場である東京ビッグサイトの使い方がさらに大きく変わる年になります。既に工事中の東7・8ホールは鉄筋の骨組が日毎に大きくなっていますし、屋外展示場・西駐車場の工事も始まりつつあります。この夏以降、オリンピックに向けて毎回のように変更が生じることになるのは既定路線であり、参加者の皆さんも戸惑うことが多々あるかと思いますが、準備会からの情報には今まで以上に耳を傾けていただけると幸いです。繰り返しのお願いとなりますが、よろしくお願いします。
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[Since: Jan 13 2016] [Last updated: Feb 12 2016]