コミックマーケット87アフターレポート
- 会場
- 東京国際展示場(東京ビッグサイト)全館
- 会期
- 2014年12月28日(日)〜30日(火)
- サークル数
-
・ | 参加サークル数 | 3万5千 |
・ | 申込サークル数 | 4万8千 |
- 入場者数
-
・ | 28日(日) | 18万人 |
・ | 29日(月) | 17万人 |
・ | 30日(火) | 21万人 |
- 更衣室登録数
-
| 男性 | 女性 |
28日(日) | 2,296 | 7,095 |
29日(月) | 2,421 | 6,650 |
30日(火) | 2,798 | 6,110 |
- 献血数
-
28日(日) | 458人 |
29日(月) | 445人 |
30日(火) | 454人 |
- コミケット公式発行物
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- コミックマーケット87カタログ(表紙、なかじまゆか)
- コミケットプレス41(表紙、青春)
- 紙袋(大)カズキヨネ・(小)上野キミコ
- マスコミ取材
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コミックマーケット87取材申込一覧
2008年冬のコミックマーケット75以来、6年ぶりに大晦日を外す日程となったコミックマーケット87。大半の方が年末年始休みに入っての開催となった影響か、1日目18万人、2日目17万人、3日目21万人の、のべ56万人と、冬の過去最高の参加者数となりました。参加者だけでなく、東京ビッグサイトを筆頭に関係各方面からも喜ばれた「大晦日回避」ではありましたが、事前の予想通りというか、案の定開催日を1日間違えて搬入する印刷会社が……。もっとも日付間違いで一番のトラブルは、設営日にフォークリフト業者がやって来ないというもの。このおかげで設営の完了がいつもより約1時間遅れてしまいました。
天候については、2日目の午前中が雨となり、コミックマーケット83以来2年ぶりに天気にたたられたわけですが、設営日含めての4日間をずっと晴れで乗り切るのはなかなか難しいのは言うまでもありません。準備会としても、いろいろな雨天対応をしていますが、今後とも参加者の皆さんそれぞれの事前準備も、是非お願いしたいと思います。
さて、この冬の主なトピックとしては、有明西ふ頭公園へのコスプレエリア増設、お向いの東京臨海広域防災公園で開催した「第一回有明防災フェア」、写真家鈴木心さんによる「鈴木心写真館@コミックマーケット」、そして、NHKの特集番組の取材が挙げられます。
前回のコミックマーケット86の3日目に急遽コスプレエリアとして追加した有明西ふ頭公園ですが、緑と海に囲まれたロケーションがコスプレイヤーとその撮影者に好評で、今回から3日間常設でコスプレエリアとなりました。そんなこともあってか、元々夏よりも冬の方が多いコスプレイヤーの参加者数も、3日間のべ2万7千人を越え過去最高となりました。また、コミックマーケット83から始まったコスプレ先行入場もすっかり定着してきましたが、応募者がさらに増えた結果、抽選率がますます厳しくなっており、現在対応策を練っているところです。
「第一回有明防災フェア」は、一般社団法人DSCとコミケットとの共催による新しい試みで、自衛隊・消防庁に「防災・減災・応災」活動のパネルや車両等の展示、日本赤十字社に献血を行っていただきました。正式の開催決定がギリギリで、事前の告知が充分できなかったこともあって、イベント自体の存在を知らない方も少なくなかったとは思いますが、それでも3日目には千人を超える来場があり、初回としてはまずまずの状況だったと思います。こちらも、継続開催していきたいと考えており、現在いろいろな展示や企画を行えるよう準備を進めていますので、ご期待ください。
また、2日目のみの開催ではありましたが、写真家の鈴木心さんによる参加者のポートレート撮影会「鈴木心写真館@コミックマーケット」を、会議棟の1階(開会前)と6階(お昼〜閉会)で行いました。以前よりコミケットに強く関心を持ち、会場各所の風景を毎回撮られていた鈴木心さん。コミケットスペシャル6でのコミックマーケット40周年展示企画への協力を準備会からお願いしたところ、当日の参加者個々の姿をその場で撮影・記録する企画という逆提案を受け、コミケットスペシャル6へのプロモーションも兼ねて、冬コミでプレ企画として実現したものです。更衣室に近いスペースを使っての開催でしたが、コスプレイヤーのみならず、一般参加者やサークル参加者、準備会スタッフなど約120組が撮影に参加しました。当日撮影されたものの一部は、コミケット公式twitterでも終了直後に公開していますので、まだ見ていない方は是非ご覧になってみてください。
そして、このコミックマーケット87で最も大きな話題となったのは、NHKが年明けの1月12日放送した「知られざる“コミケ”の世界」という特集番組だったのではないでしょうか? ディレクターの方がそもそも同人誌・コミケットに土地勘がしっかりあり、取材意図も明確。色々とお話をさせていただく中で、この方ならしっかりとしたものを作っていただけるのではないか? ということもあって、準備会として通常以上の取材協力を行いました。結果、様々なコミケットの姿が映し出され、大変丁寧かつフラットにこの「場」をご紹介いただきました。短い放映時間の中でコミケを知らない人にもコミケのことを伝えるために、言葉の言い回しに不正確さが少々生じたりしてはいましたが、番組全体としては、コミケを知っている人にも知らない人にも極めて好評だったように思います。取材にご協力いただいた参加者の皆さん、ありがとうございました。
その一方で皆さんにご迷惑をおかけしたのが、DVD-ROMカタログ(制作・販売:共信印刷)の相次ぐトラブルでした。MacOS X版カタログブラウザの開発が遅れたこと、App StoreよりDVD-ROMカタログ利用者へのサービスとして無料配布しているコミックマーケット87対応版iOS版コミケアプリが当日以前に審査がおわらなかったことについては、準備会からも改めて深くお詫びいたします。今後の対応策について共信印刷と準備会との間で協議した結果、DVD-ROMカタログに収録するカタログブラウザについては、MacOS X版の提供は前回で終了とし、今後はWindow版のみとします。また、iOS版コミケアプリについては、開発時期を大幅に前倒しし、審査期間に余裕を持たせるようにします。詳細については、公式サイトのDVD-ROMカタログのページをご参照ください。
当日のサークルの傾向は、秋に大ブレイクした作品がなかったこともあって、これまでの流れの延長線上だったように思います。初日はジャンプ系、アニメ系、芸能系、女性系の創作が中心。『ハイキュー!! 』などが盛り上がりました。二日目は、ゲーム系、マンガFC系。東123地区は艦これ、東456地区に東方Projectという形で2大ジャンルが混雑し、西地区では、『弱虫ペダル』『進撃の巨人』が依然として人気がある中、『ダイヤのA』の急伸ぶりも目立ちました。三日目は男性向やギャルゲー、創作(少年)、同人ソフト、デジタル(その他)等の配置。大晦日回避で参加者も多かったこともあり、全体的に夏コミに優るとも劣らない大混雑となりました。
西4階企業ブースに目を向けると、取材とは別のNHKの初出展や、バレーボールメーカーのMIKASAや、NTTドコモのdアニメストアなどの新規の参加等も話題になりました。混雑緩和策としての遠回りの誘導については、西4階へ行こうとする参加者の皆さんに負担を強いており、大変申し訳ないと思っているのですが、会場側からも混雑が改善されたという評価をいただくなど、大きな効果をあげています。とはいえ、一部出展社の行列において、混雑が激しくなった結果、行列の形成を一時的に止めるなどの措置を講じたところもありました。いずれも、事故を防ぎ、安全な運営のためにやむを得ない対応ということで、ご理解いただきますようお願いします。
また、冬コミのみ行っている献血ですが、例年の西地区の屋外展示場及びりんかい線国際展示場駅前に加えて、先ほども触れた防災公園駐車場の3か所で行い、多くの血液が集まりました。こちらもご協力いただいた皆さんに深く感謝します。以前からお伝えしているとおり、年末年始の輸血用血液の不足は深刻で、コミケットでの献血は非常に助かっているそうです。そして、恒例となりました献血された方へのポスタープレゼントですが、今回は秋田書店、estciel、Cygames、サミー、みなとカーニバル(五十音順)の各社さんのご協力をいただきました。ありがとうございました。
このアフターレポート公開時点では既にコミケットスペシャル6も終わってしまいましたが、冬コミにおいては、コミケットスペシャル6の事前プロモーション企画として、公式キャラクター「筆川麻耶」「筆川玲音」姉妹のコスプレ広報や、初の準備会公式ニコニコ生放送「スペシャル6も宣伝しちゃうよ生放送」を実施しました。今まで準備会がこのような形で前面に出て告知することはほとんどありませんでしたが、スペシャルだからということで、「やってみる」の精神でのチャレンジでした。生放送は開催前日12月27日の夜という、なかなかハードルの高い時間帯での実施となりましたが、3万人余りの方々に視聴していただきました。
そんな冬コミからすでに半年近くが過ぎ、既にコミックマーケット88に向けて準備会は準備をし続けています。この先、東京オリンピック開催に向けて、会場を巡る状況がどのようになっていくか、我々にも未だによくわからないのですが、この冬のコミックマーケット89以降は、毎回のように様々な変更事項があると思います。その中で、コミックマーケットが「継続することを目的とした表現の可能性を広げるための『場』」として皆さんと楽しく過ごせるハレの日であり続けるために、準備を続けます。皆さんも参加者として自分のペースで共に歩んでいただければと思います。
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[Since Jan 14 2015] [Last updated: Jul 5 2015]