コミックマーケット63アフターレポート
- 会場
- 東京国際展示場(東京ビッグサイト)全館
- 会期
- 2002年12月28日(土)〜30日(月)
- サークル数
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・ | 参加サークル数 | 3万5千 |
・ | 申込サークル数 | 5万2千 |
- 入場者数
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・ | 28日(土) | 15万人 |
・ | 29日(日) | 15万人 |
・ | 30日(月) | 15万人 |
- 更衣室登録数
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| 男性 | 女性 |
28日(土) | 800 | 5,410 |
29日(日) | 1,010 | 6,080 |
30日(月) | 1,230 | 3,360 |
- 献血
(東京都赤十字血液センター報告書より東京ビックサイトと臨海副都心線国際展示場駅の合計)
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- 28日(土) 250人
- 29日(日) 304人
- 30日(月) 313人
- コミケット公式発行物
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- コミックマーケット63カタログ(表紙、うたたねひろゆき)
- 紙袋(大)篁よしやす・(小)浪花 愛
- マスコミ取材
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コミックマーケット63取材申込一覧
冬のコミックマーケットとしては初めての全館・三日開催として、63回目は開かれました。
年末という押し迫った日程でもあり、地方参加者、社会人にとっては厳しいところもあったようです。
かつて、夏、冬二日間開催だった時代には、冬コミの一般参加者数は夏コミの一、二割減というのが普通でした。
予想通り、コミケット62に比べて、一日当たり一割ぐらい一般参加者数は少ないという結果がでました。
開会三〜五十分前から一般の列を会場内に誘導するという、夏コミからとられている入場方法をとったこともあって、
入場フリーになるのが早くなり、一般の待ち時間も大幅に少なくなったことも、改善された点としてあげておくことにします。
徹夜する言い訳が一つなくなったことはまちがいありません。
午前九時頃に駅を出た参加者が十時半過ぎには会場内に入れていたという報告もあります。
また、りんかい線が大崎までつながったこともあって、ビッグサイトへの足の便は格段によくなったようです。
国際展示場駅はかなり混雑していたようですが、バスやゆりかもめに比べて輸送人員が多いこともあって、
スムーズに人の流れが出来ていました。その分、バスやゆりかもめは、時間帯によっては、ゆったりとしていたようです。
りんかい線からの報告では、28日の午後一時の段階で、四万五千人が利用したことになっています。
近隣の駐車場、駐車スペースが減っていることもあって、できるだけ公共交通機関を使ってくださるよう、
お願いしてきたのですが、りんかい線の全線開通によって、なんとかこの問題も解消できていきそうです。
今回からNTTドコモのアンテナ車にコミケットへ出動していただきました。
オリンピックやWカップなどの大きなイベントにしかこれまで出動したことがないものだということです。
コミケット当日の携帯電話のつながりにくさをなんとかしようということだったのですが、一台ではまだ回線が不足だったようです。
にしても、以前よりはましになったという声も聞かれました。
NTTドコモでは今回の結果を元に夏のコミケットの対応を考えてくださるという回答をいただいております。
この問題もうまく行けば、解消されていくかもしれません。
三日間を見て見ますと、これまでのコミケットでは、日程やジャンルによって、一般参加者の数にばらつきがあったのですが、
今回は、千〜三千程度のカウンターの違いでしかなく、毎日ほぼ同数の来場者という結果になりました。
一日目は、世代的にかなり若がえり、女性の数も増加していました。
三日目は変わらず男性の多い日でしたが、やはり女性の割合は増えていたように見受けられました。
同人誌の人気ジャンルの変化だけではなく、世代交代も少し目に見え始めてきているようです。
2003年の夏のコミケットは、大きくジャンルの日程が変わっています。
その結果がどうでてくるのかは、夏の当日を待たなければならないでしょう。
冬コミは、三日間快晴でしたが、とても寒い三日間でもあったようです。
特に設営日の27日の夜の風の冷たさは、こたえました。
昨年まで数年の、夏は冷夏、冬は暖冬という形でコミケットは行われてきました。
かつて、コミケットの日は晴れるというジンクスも98年夏に崩れていましたが、
それは2002年にはかなえられたものの、夏の暑さ、冬の寒さというのを実感できる一年だったともいえるでしょう。
コミケットの問題は、人の多さと、気候だけだった時代は戻ってこないにしても、夏、冬というスケジュールのコミケットには、
これからも暑さ、寒さの問題はつきまとっていくことになりそうです。
63の問題としては、直前に告示されたパナソニックセンター前での「M1グランプリ(テレビ朝日中継)」開催がありましたが、
事前調整もあり、時間帯がずれていたこともあって、全くトラブルになりませんでした。
十二月後半には、ネットなどでかなり騒がれていたようですが、少し騒ぎすぎという感じも抱かざるをえませんでした。
様々なものと共存共栄の道を探っていくことが、コミケットのこれからの行き方でもあるはずです。
近隣のテナント、公園のケータリングや屋台など、周辺はお祭り的様相も呈してきています。
違法屋台などは問題ですが、コミケットが示せるのは多くの人が集まるニギワイであり、それがもたらす経済効果でもあるのかもしれません。
しかし、この冬には会場内敷地に無断で店を開いていたTシャツ(テニプリ)売りの露天商と、ちょっとしたトラブルが起こっています。
こうして見ると、冬のコミケット63は、おおむね問題もなく三日間開かれたと、結論としては言うことができます。
が、今回、コミケット準備会にとって三日間、緊張を強いられたのは、
2ちゃんねるのコミケット特設板に28日早朝書き込まれた匿名の「30日の13時頃に東4ホールに小型の自作爆弾を仕掛けます。
怪我したくない人は、その時間帯は避けてね」という犯行予告めいた書き込みでした。
東4ホールの三日目サークルに、ことの次第を報告すると共に、不審物発見などに関する協力を要請する一方、
警備体制をさらに強化するなど、様々な変更を行うことになりました。
警察や会場なども、この予告に備えて、警戒体制をとることになり、
30日当日は、ものものしい雰囲気の中、警察官による「職務質問」などもあちこちで行われました。
過激派コスプレでの参加者がしつこく職質を受けたなど、通常だったらトラブルにならないことが、問題になったりしました。
書き込みは、イタズラだったようですが、こうした心ない書き込み、嫌がらせによって、
何千人もの人間が、更なる業務を抱え緊張を強いられことは、許せないことです。
コミケット準備会では、この書き込みに対し、深川署に威力業務妨害の被害届を出し、捜査してくださるようお願いしました。
うやむやで終わらせてはならないことがあるのです。
以前から届いている脅迫のハガキを含め、犯罪にはきちんと対応していきたいと考えます。
大した手間もかけず、何の考えもなく行ったことが、何十万人に迷惑をかけていることを、犯人は知る必要があるのです。
匿名性の陰に隠れた自分勝手な思いこみによる行為の卑れつさについては、言うまでもないことだと思います。
−−掲示板での書き込み、HPは不特定多数の人たちによって見られることを前提にしたものです。
そうしたものには、それなりの責任がともなうことも、コミケットの参加者の方は知ってもらいたいと考えます。
また、それはものを書く、同人誌を創ることとも、重なっている問題でもあるからなのです。
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